すぐに稼げる文章術

すぐに稼げる文章術 (幻冬舎新書)

すぐに稼げる文章術 (幻冬舎新書)

技術論としては他の著作と50歩100歩の内容だが、研究者論文からブログの文章まで、多様な実例を取り上げて実際に添削を試みているところが他の著書とはひと味違う。
どうしてもこの手の本だと、筆者自身が主催するスクールの生徒が書いた文章のみだったりと、実例の領域が狭くなりがちになる。その弊を免れたことは高く評価できる。
ライターとして生きる処世術にも触れられている。
ただし、物語を書く役に立つような本ではなく、「すぐに稼げる」はタイトルに偽りあり。購入を検討される方はこの二点にご注意を。
最後の関連図書一覧は、良い本もあるが価値を感じられなかった本もあり、あまり精選されていない印象だった。本文中でも触れられている本は、例外なく良い本である。
(2012年5月3日追記)
まあ、大きく間違ってはいない書評でしたがあまり持ち上げるほどのものではありませんな。
現在読むと賛成できるのは6割ってところで4割は「そりゃ筆者の思い込みだろー」とか「こんなヤツ持ち上げるのおかしくね?」と思うような内容が出てきました。
しかし、この本からスタートして色々本を読んだら見えてきたものもあったので、そういう意味では感慨深い本ではあります。
今読んでもまだ自分の中で考えが乾いていないなと思うのは「メモを取ること」についてで、自分はメモを取りません。それで良いのか、取るべきなのか、未だに悩ましい。
また、彼がマルクスルポライターと指摘しているのはある意味正しい気がする。