年収300万円時代 日本人のための幸福論
- 作者: カレル・ヴァン・ウォルフレン,森永卓郎
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2005/05/19
- メディア: 単行本
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しかし、現状の日本を認識する上では良い本だと思う。この本は2005年に発売されたものだが、殆どの問題は現代でも共通するからだ。
以下、この本を読んで「へぇ」と思ったことなど。
- ウォルフレン氏の考えによると、幸せは「ラクであること(居心地の良さ)」「満足感(欲しいモノを手に入れる感覚)」「言葉通りの幸福(能動的に働きかけたことの副産物)」に分かれる
- ヨーロッパの人たちはちょっとリラックスしてる
- バブルのまっただ中から、日本企業はダウンサイジングを目指していた
- オランダは知的な分野にこだわっている人や、好奇心旺盛な人にとっては、本当につまらない国
- 日本のシステムをまわしている人たちやトップの官僚が、実は自分たちのシステムを理解していなかった
- ある程度、物質的に恵まれた生活をしていれば、民主主義が消えてしまうことについての認識はどの国でも起こっていない
- 世界的に中流階級の重要性がどんどん小さくなってきている
- 自衛隊のイラク派遣は国内法的には正当性がない
- 竹中平蔵氏は財務省やワシントンの意向に沿っていた
- 日本のデフレは古典的なデフレではない
- 日本の信用は大企業のみがクレジットライツを持つ仕組みである
- 日銀は外部の人間と接触するのに稟議がいる
- 土地の価格には信じられないほどの非公式なコントロールがある
- 本当の意味での仕組みや構造ということに着眼した分析、根本的な関係や取引の分析というのは、いわゆる権力を持った人たちによって、あまり評価されない
- 財務省は世の中の目が構造に向こうとするとスキャンダルにすり替えるような「そらし」が上手い
- 日本への半公式的な移民は、イラン人、中国人、フィリピン人の人たちはかなりいい形で融合している(韓国は入らないのか)
- オランダの場合、トルコの人は問題ないがモロッコの人はマッチョ指向が多く、問題を起こしている
- 日本経済の成長は中国が何を買うかによって押し上げられている
- 財務省はデフレ脱却に色々やっている
- 日本(や韓国)は西洋のアイディアとか知識を習得していくという意識だが、中国は西洋人になりきってしまうという観点がある。つまり、中国人の方が西洋人に近い
- 日本は信用制度が時代に合っていない
- クレジットリスク、信用リスクを分析する技術が日本には必要
- 日本人は与えられた仕事を非常にまじめに取り扱い、真摯な姿勢を持っている
- お金持ちというものはそもそもトップを目指したがる生き物
- 江戸の商人は文化や様式を育み、だんだん洗練化していき、むしろ侍よりもセンスがよくなった