村上春樹氏はアホだなぁ

村上氏の「カタルーニャ国際賞スピーチ原稿」に目を通したのだが、反核に繋げるために原発問題を歪めている印象。

それは日本が長年にわたって誇ってきた「技術力」神話の崩壊であると同時に、そのような「すり替え」を許してきた、我々日本人の倫理と規範の敗北でもありました。我々は電力会社を非難し、政府を非難します。それは当然のことであり、必要なことです。しかし同時に、我々は自らをも告発しなくてはなりません。我々は被害者であると同時に、加害者でもあるのです。

ようは「日本人の倫理と規範こそが今回の問題を生み出したのだ」と言っているわけだが、とんでもない。
「(大多数の、原子力推進に関わらなかった)日本人の倫理と規範」と原発問題は無関係だ。
なぜなら、我々一般の日本人は原発の危険性を正しく判断できる材料を原発推進派から与えられなかった。
言わば、国家ぐるみの詐欺の被害者である。
「あなたがたが詐欺に遭ったのは、あなたがたの倫理と規範のせいです」と言われたら、詐欺の被害者はふざけるなと憤るだろう。
村上氏はまさにそう仰っているわけだ。
言うまでもなく、原発問題は「制度」の問題である。二度と同様の問題を起こさないために、利権とズブズブの関係ではないチェック機関を設け、我々には必要な判断材料が公開されるようにしなければならない。
「日本人の倫理と規範」をどうこうすることは、原発問題を繰り返さないために何の役にも立たないどころか、問題の本質を歪め有害ですらある。