シゴトの渋滞、解消します! 結果がついてくる絶対法則

シゴトの渋滞、解消します! 結果がついてくる絶対法則

シゴトの渋滞、解消します! 結果がついてくる絶対法則

マニュアル本の類かと思いきや、むしろ啓発本に近い内容だった。個の最適の総和は全体の最適ではない。だから「俯瞰的に見る」「他人との繋がりを大切にする」「余裕をもたせる」といったことが必要だとして組織の効率的な運営を論じている。
格式張った議論はなく、ひじょうに読みやすい本。
しかし、それ故にというべきか、「怪しいな」という懸念はどうしても拭えなかった。
本の殆どは筆者の自慢話と「派遣切りは無駄」「自分も昔はなんでも一人だけでやろうとしたが限界があった」といった精神論で構成されている。そこには、なぜそう言えるのか、という専門家の立場からの理由付けが置き去りにされている。
なるほど、筆者は非線形現象の研究には精通しているのだろう。しかし、その研究とこの本に書いてある無駄取り精神論とは一見関係があるようで、実は大きな飛躍が存在するように思えた。
茂木健一郎さんのような胡散臭さがある。